冒険築山解説

弊社の冒険築山や立体砂場について、弊社の協力会社ライジングワークス代表が見事に解説してくていますので、引用させていただきました。

彼女に実習中解説した内容が見事に要約されています。

 

ー以下引用ー

 

■初めに

従来の「遊具」と「自然構造物」の中間にあるのが、弊社の『冒険築山』です。

園庭に自然を持ち込む、しかし、保育遊具である以上「教育ツール」でなくてはなりません。

弊社では、次の3点をコンセプトに『冒険築山』を設定いたしました。

「自然に近い遊び場」は、自然そのものではありませんが、これから「自然」に出かける準備を整える懸け橋です。平面ではない自然に近い環境で遊ぶということは、学習でもあり運動でもあります。

また、規格化された遊具だけではない園庭には、変化があります。晴れたり曇ったり、風や木材の匂い、地面の変化、水の流れの跡、自然は変化と偶然を生み出します。コンクリート仕立ての築山では、変化は決して出せません。

 

  1. 運動

歩くことを中心に基本的な粗大運動を発達させる時期から、徐々に運動の組み合わせへ移行します。

揺らす、走る、バランスを保つ、よじ登る、といった基本的な全身運動を通して、子どもたちは振動、落下、平衡、重力といった感覚を獲得します。

 

この冒険築山は、遊びに夢中になる中で、自らの限界に達し、それにより耐久力、体力、忍耐力、反応や敏捷性、柔軟性や勇気を鍛えられます。

国際武道大の鈴木和弘教授(保健体育科教育学)は、「幼児期は、複雑で効率的な体の動きを身に着ける大切な時期。幼児が面白がって運動する環境作りが大切」としています。

 

  1. 一人より仲間でコミュニケーションを。

当初は、一つ一つの仕掛けをクリアすることに夢中になるでしょうが、挑戦がひと段落すると、自発的に工夫してお互いに想像し、見立て遊びを始めます。ルールを設定したり、議論したり、競争したり、お互いのことを思いやったり、協力したりするようになります。

一人より、複数で遊びこめる設定にしています。この経験は、遊びを通して社会性をはぐくみます。

 

3.体験

「子どもは遊びを通して世界を体験しますが、それには、子どもたちが自然の中で環境というものを“把握”できるような身近な空間が必要であるからです。

石を引きずってみて初めて石とは何かを知り得ます。水や砂、土で遊んだことのある者だけが、その物質がどんな手触りで、それによって何をなし得るかを経験します。」と藤森平司先生が述べられています。

土の手触り、掘る、作る、だけでなく、どこまでやったら自分には危険なのか、怖く感じるのか、どうやったらうまくできるのか。よごす、転ぶのは成長の特権です。

見下ろす、眺める、ことで空間を理解できます。

体験は、試行錯誤する中で、幼いうちに「上手に失敗」し、「克服」したり「努力したが悔しい思い」をしたりと、心も成長させます。

 

■遊具と促進する要素

・素材:簡単には崩れないが、自然と同じように人の働きかけで変化させられること。

     土…指の感覚、こねる、掘る、丸める。固める、崩す。はだしの感触。

     切り株…不安定なところを歩く。バランスを取る。木の匂い。よじ登る。片足で立つ。

 

・クライミングウォール:目と手の協応。つかむ、引き寄せる、踏ん張る筋力。手がかり、足がかりの位置関係を考える。視界に入らない突起の位置を覚える。達成感。

・登攀木:全身の筋肉、平衡感覚、重力、高さの恐怖克服、手足の連動、達成感。

・トンネル:隠れ家、リラックス、ごっこ遊び、想像力。背を低くして歩く。コミュニケーション。

・ダブル幅滑り台:移動系の運動、コミュニケーション、高さの克服、達成感。

・斜面:のぼる、降りる、バランスをとる、横に歩く、歩行のバリエーション。崩す、運ぶ。頂上から水を流す。全身運動。

 

■保守とメンテナンス

自然であることを大前提としていますので、築山は形が変わります。それは、こどもが遊びこんだ証左です。

年月が経つと、足元にこぼれた土を山にもどしたり、木材を取り換えたりと修復が必要になります。

しかしこれは、鉄やコンクリートと違い、形を新しくしたり、別の仕掛けを考えたりすることが容易ということでもあります。アイデアを形にできます。

既存遊具と同様、定期的なメンテナンスの上、長くご利用ください。

 

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コメント: 2
  • #1

    米増 徹 (火曜日, 12 7月 2011 20:21)

    説得力のある見事な解説です。
    とても参考になりました。

  • #2

    安江 (水曜日, 13 7月 2011 08:14)

    ご丁寧に痛み入ります。ライジングワークスさんを今後ともよろしくお願い申し上げます。